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No.29096の一覧
[0] 魔砲少年サブカルネギま! (ネギま!×リリカルなのは)【改訂版 [みゅう](2012/08/17 01:15)
[1] 第1話  狐との契約【幼少編】[みゅう](2012/07/09 17:57)
[2] 第2話  「とくべつ」な式神【準備編】[みゅう](2012/07/09 17:57)
[3] 第3話  改革派設立[みゅう](2012/05/30 00:33)
[4] 第4話  変わらないものと変わったもの[みゅう](2012/05/30 00:32)
[5] 第5話  学園長[みゅう](2012/04/15 13:34)
[6] 第6話  墜ちる星光[みゅう](2012/05/30 00:23)
[7] 第7話  重なる想い[みゅう](2012/05/30 00:32)
[8] 第8話  領域を超えて[みゅう](2012/04/19 21:48)
[9] 第9話  英雄の息子を巡って[みゅう](2012/05/30 00:50)
[10] 第10話 大戦の予兆[みゅう](2012/05/30 00:50)
[11] 第11話 母が遺したモノたち[みゅう](2012/06/05 21:06)
[12] 第12話 図書館島の秘密[みゅう](2012/06/29 01:33)
[13] 第13話 リリカルサブカル始まります【覚醒編】[みゅう](2012/07/14 23:46)
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[29096] 第5話  学園長
Name: みゅう◆777da626 ID:667c48d9 前を表示する / 次を表示する
Date: 2012/04/15 13:34
「おじいちゃん連れてきたえ」
「爺さん久しぶりっ!」
「失礼します」
「狸め。まだ生きておったか」

麻帆良学園女子中等部、学園長室の扉をくぐる。
手を挙げて笑顔を見せる孫二人と、丁寧に礼をする刹那。
一方、どこか蔑んだ表情のユキは不快感を顕わにしていた。
口調まで天狐としての素に戻っている。

迎えるのは近衛近右衛門。
仙人か宇宙人を連想させる長い後頭部、特に顎に蓄えた白髭、弱々しいながらも奥が見えない佇まい。
この学園都市を纏める最高権力者ということに、誰もを納得させる存在感を彼は持っていた。
学園長は窓際の席を立ち上がると、彼らに近づき歓迎の意を表す。

「よく戻って来たの。木乃香に刹那君もごくろうじゃて。それでユキ殿、酷くないじゃろか? 儂なんか悪いことした?」
「生理的なものじゃ。気にするな」

そんな学園長もユキの冷淡な口ぶりに一瞬肩をすぼめてしまう。
それなりにショックだったようだ。

「“男子三日会わざれば刮目せよ”とよく言うが、本当に逞しくなったのう。知らん間に儂より大きくなったか」
「まだ170は行ってないけどもうすぐだ。やっぱ親父と同じぐらいにはなりたいよな」

近右衛門は和葉の方に手を置き、彼の成長を祖父として喜ぶ。
そんな和葉の頭に木乃香が地面に対して水平にした手をかざし。自らと背を比べる素振りをした。

「この前はウチの方がちょっとだけ大きかったんになぁ。やっぱりかず君は父様似やな」
「そうじゃのう。しかしのう。惜しいのう。木乃香と同じ双子じゃと言うのに、何で木乃葉に似ず婿殿に似たんかのう」

左腕にさり気なく両手を回して、肩に顔をすりよせる木乃香。
和葉はその頭を軽く上から叩くように撫でるが、口元に手を当てて真剣に悩む祖父に対して、不満げな声を発した。

「なんだよその言い方。この顔じゃ爺さんは何か困るのかよ」
「いや、の。もう少し和葉が木乃葉に似ておったら、木乃香と同じクラスに通わせておったのにと思っての。いや、女装すれば行けんこともないかも知れんぞ。そうじゃ、アレの設定に追加条件を加えれば何とか行けんことは……」
「はぁ。気持ちはありがたいんだけどさ、普通に男子校でいいから」

喫茶店での冗談話に似た展開が、再びここでも繰り広げられる。
大きなため息をついて、自由な右手をヒラヒラと振る和葉。
そんな孫の様子に納得できない学園長は、細めがちな目を大きく見開いて詰め寄った。

「何故じゃっ!? 女装せんでも儂の権限なら共学化のモデルケースとしてネジ込むこともできるんじゃぞ? 31人の美少女に囲まれての学園生活、男なら一度は憧れるもんじゃろ?」
「確かにハーレムには憧れるけど……素子姉の話を聞いてると色々と思うことがあってさ」

和葉は何かを悟ったような遠い目で天井辺りを凝視する。
学園長は首をかしげるが、木乃香と刹那、ユキの3人は和葉の言葉に激しく頷いた。

「あのような不届き者など切り捨てればよいのです。婚約者がいるのにも関わらず女性を何人も侍らせるなど断じて許せません! それなのに師範は何故っ!!」
「あー確かにアレは不毛やなぁ。せっちゃん、落ち着きや。素子ちゃんもそのうち気付くはずやて。それにかず君はあんな悪い男にはならへんよ」

怒気と共に気を思わず拳に込めてしまう刹那だったが、それを木乃香が諌める。
左腕にしがみ付いたままの彼女は、やんわりとした口調でありながらもトドメとなる一言を放った。

「なぁ。かず君?」

腕にしがみ付く力が強くなる。
平然と接していながらも。内心では妹の柔らかさを堪能していた彼だった。
しかし一層押し付けられる未熟な胸の感触によって、その行為の意図に気付かされた。
彼女の頭を右手で軽く押し付けながら言った。

「木乃香。いくら兄妹でもちょっと近過ぎるぞ。ここでは良いけど、人前だと誤解されるからな。気をつけろよ」

ようやく腕を解く木乃香。
和葉の胸の中心を軽く叩くと彼女は言った。

「了解や。皆がおる前では気を付けとくわ。うん、かず君は合格やな。せっちゃん良かったなぁ」

木乃香の言葉に対して、完全に黙り込む刹那。
一瞬だけ和葉と視線を交わした彼女は慌てて俯いた。
雪のように白く透き通った肌が、瞬く間に紅色に染まってゆく。
今まで若干不機嫌そうだったユキも表情が緩み、肘で刹那の背中をつついている。

「ひ孫の顔が見れるのは案外早そうじゃの」
「爺さんまで冷やかさないでくれよ。俺はともかく、刹那そういうのに耐性ないっぽいから。それから爺さん俺の部屋のことなんだけど」

耳の先だけ赤らめながら、無理やり話題を変える和葉。

「荷物は一階の管理人室に届いておる。鍵もその時受け取る手はずじゃ。この後で整理するがよい」
「ああそうするよ」
「本当にスマンの。この時期は中々入れ替わりがないでの。職員寮しか確保できんかったわい」
「いや、むしろ好都合さ。明石教授に瀬流彦先生だっけ? 同じ棟なんだろ。これから一緒に仕事するんだし、近い方が何かと都合がいいって。サンキュ」

本来ならば中等部の生徒は同じ男子寮に住むことになっているが、突然の転校で空き部屋がなく、結果として単身男性の職員寮の部屋をあてがわれることになった。

「それなら良かったわい。それから事前に連絡しておいた通り、ユキ殿には女子寮の管理人を任せたい。今の管理人があと1カ月で退職するでの。その間にしっかり引き継ぎを頼んだぞい。これが雇用の契約書じゃ」
「承知した。これは後で良いな?」
「うむ。書けたら木乃香に頼むぞい」
「オッケーや。ウチが預かればええんやね。ユキちゃんが管理人さんなぁ。色々楽しくなりそうや」

胸の真ん中で手を合わせる木乃香。
そうですね、と刹那も同意した。

和葉はポケットから手帳を取り出して中身を確認した。
手帳を再びしまうと学園長に問う。

「あと何か用はあるか爺さん?」
「いや、儂からは特にないぞい」

その言葉の後に、一般人である木乃香には聞こえないよう念話で会話を続ける。

(本業の話はいつになるんだ爺さん?)
(今日の二十三時半、世界樹下の公園で待っておる。刹那君と来れば場所はわかろう。それとユキ殿も一緒にのう。こちらのメンバーと顔合わせをするつもりじゃが大丈夫かの?)
(あぁ大丈夫だ。よろしく頼む“理事長”)

一瞬でやり取りを終えると、和葉は腕時計を確認して告げる。

「じゃあ荷ほどきがあるからもう行くな。またな爺さん!」
「失礼しました」
「またの」
「おじいちゃん、ほなな」



四人が去ったのを見届けてから彼は机に戻る。
引き出しから二つの書類の束を取り出して、それぞれの表紙に張り付けられている写真に目を通した。

檀上に立って論文のプレゼンテーションを行う白衣姿の和葉。
そしてもう一枚、赤毛の幼い少年が卒業証書を受け取けとる姿。

「まずは我が孫ながら一体どう動くかの。“深淵の探究者ディープダイバー”よ」








世界樹前広場には関東魔法協会のメンバーの一部である、魔法先生および魔法生徒が半円状に並んで集合していた。

ちょうど時刻になる頃、遠くからゆっくりと歩いて近づいてくる白衣姿の和葉が見えた。
紅き翼の現役メンバーとして名高い高畑・T・タカミチは、その姿を瞳に強く焼き付けた。

「あれが和葉君か」
「婿殿に似てきたでじゃろう?」
「本当にそっくりですね。吃驚しましたよ」

こちらに近づいてくる少年は学園長の言うように、嘗ての戦友の面影を濃く覗かせていた。
最後に会ったのは十年近く前の事。
引き絞まった面構えが、やけに頼もしく感じられた。

「来月には彼も来るしの。色々と忙しくなるわい」
「ええ。何だか僕もワクワクしてきましたよ」

高畑は右手の中で転がしていたライターをしまい、邂逅を待った。




「あれが“深淵の探究者ディープダイバー”か。そう言えば桜咲さんや噂の天狐様の姿が見えないね。彼一人かな?」
「そうですね。」

白い太めの教員、弐集院は肌疑問を呈した。
狐目で細身の若手教師である瀬流彦もそれに頷く。

「あの弐集院先生。その天狐とはどのような存在なのですか? 東洋の魔物には詳しくないものでして」

シスター服を着た褐色肌の女性、シスターシャークティは自らの知識のなさに恥じらいを見せながらも質問する。

「シスター。魔物なんてとんでもないですよ! 天狐というのは神社に仕えるような善良な狐の中でも最高位の霊格の存在で、神に近しい存在、あるいは神として崇められるほどですって、あっ。その、シスターの信仰する神とはもちろん違いますが」

と言って最後はしどろもどろになる弐集院に、シスターシャークティは笑顔で返す。

「いえ気にしないでください。そのお方が崇高な存在でありることは理解でき、とても勉強になりました。清き存在で在り続けたそのお方とは是非お話してみたいものですね。信仰する神は違えど、神に仕えるそのお方には学ぶべきものが多いかもしれません」




「あっ、刀子さんだ」

和葉は神鳴流剣士の葛葉刀子を見つけた。
彼女は西から東の西洋魔術士の元へと嫁ぐ前に、鶴子の下で修業していたため幼いころの和葉とも勿論面識がある。
和葉の視線に気付いた刀子は深々と頭を下げる。
刀子は学園長の隣に位置していたため、現在は秘書的役割にいるようだ。
ちなみに刀子は嫁ぐ際の事情もあって元は穏健派に所属していた。

周りが和葉の噂をする中、和葉は刀子から学園長に視線を移すと口を開く。

「学園長ならびに麻帆良の皆様はじめまして。私はプロジェクト・レゾナンス主任の近衛和葉と申します。本日より麻帆良に参りましたのは、世界樹についての調査と図書館島での文献調査によるものです。皆さまにはご協力を依頼することがあることかと思いますが、どうぞよろしくお願い致します」

そう言って頭を下げると、学園長の元に歩み寄り世界樹の調査を認める書状を渡す。
学園長はその後見人の名前を見て予想外のメンバーに眉を上げた。

アリアドネー総長セラスの名前は予想していたが、ヘラスのテオドラ第3皇女の名前がそこには連ねてあり、そして何よりも目に付いたのはメガロメセンブリア元老院議員オスティア総督のクルト・ゲーテルの名前であった。

西を大戦に引き込んだ東の後ろ盾であるメガロメセンブリアを、和葉たちが快く思っていないことは、もちろん学園長は知っている。
故にこの人物と和葉の関係は腑に落ちないものがあった。
学園長は疑念と共に懐にソレをしまった後、歓迎の意を改めて告げる。

「良く来たの和葉。わしらが麻帆良学園の魔法先生及び、魔法生徒一同じゃ。こちらこそ世話になるじゃろうて。確かに許可証は受け取ったぞい」

2人はめったに幼少期も会うことがなかったが、ただの祖父と孫という関係においては、波長が合う良き関係であれただろう。
互いにそのことは理解していた。

しかし、2人の関係はそれぞれ組織を代表する人物である。
これからのやり取りは気を引き締めねばならない。
学園長が先に口を開き、先ほどまでの疑問を口にする。

「して和葉。何故主は一人かのう? ユキ殿と刹那君はどうしておる?」
「ああ。うちの式たちでしたら」

軽く頷いて思い出したように言うと、和葉の両脇に巫女装束のユキと、袖のついていない袴のような烏族の戦闘服を纏った刹那の姿が現れる。

「此処に」
「此処に」

次の瞬間に何の気配もなく現れた二人の姿に、集まっていた一同は驚いた。
一見ただの転移だったが、無詠唱かつ魔法陣や札を使った様子も見られなかったからだ。
転移や召喚には通常何らかの触媒が必要であり、喚び出してから完全に姿を現すまでにラグが生じる。
だからこそ、このさり気ない二人の登場は余りにも信じがたい光景だったのだ。

未熟な魔法生徒たちは見慣れない刹那の格好の方に興味が行っていたが、ある程度の熟練度に達している魔法先生たちの一部は警戒心をより強めた。

(桜咲にあれだけの技量はなかったはず。葛葉、お前はわかるか?)
(まずあの二人は若様の式神です。転移でなく召喚されたという方が正しいでしょう)

オールバックに髭を生やしたサングラスの男、神多羅木は紫煙を吐きながら刀子に念話で問う。
渋い顔をしながら刀子は答えた。

(なるほど召喚か。だがそれでは気配の方の説明が着かない)
(幻術によるものでしょうね。召喚の際に周りへ気を逸らしているか、召喚される空間への認識を歪めているのでしょう。最もこれは憶測ですが、私は若様が幻術に長けていることをよく知っていますので)
(天狐の弟子だからか。しかし、予想以上に上手いなこれは)
(えぇ。今のカラクリに気付けるのは龍宮と学園長ぐらいでしょう。高畑先生でも気付けるかどうか)

瞬間移動に近いレベルでの転移を見せつけるこの手法は、和葉の技量を理解させるのに有効だったようだ。
仮にカラクリを見破ったところで気付かされるのは、やはり彼の技量とその行為の意図だろう。

(刀子さん正解! 武力を見せびらかしたくはないけど、只のガキ扱いじゃ困るからね。ま、悪いようにはしないよ)

いつから傍受されていたのか、突然飛び込んできた念話に驚く刀子。
彼女が返事をする前に和葉は再び口を開いた。

「それから麻帆良の皆さまには、別の立場からもお話させて頂かなくてはなりません。この学園において関西呪術協会の強硬派の者たちが多大なご迷惑をおかけしていると、刹那から報告は聞いております。ただ関西呪術協会と申しましても思想の異なる四つの派閥に分かれております」

申し訳なさそうな声色でありながらも、決して頭は下げず淡々と述べる。
西の内情に疎い幾人かの者は、和葉の言葉に眉をひそめ、あるいは首をかしげた。

「現在の長は穏健派、つまり貴方がた東の人間と友好を結ぼうとしている派閥のトップであります。そして私は改革派、組織の立て直しと拡大路線を目指す派閥を治めている者です。従って貴方がたに対して直接武力に訴える強硬派の意思と、長および私の意思は全く異なるものであることを、まず誤解なきようお伝えしなければなりません」

刀子や刹那から以前話を聞いていた者たちは知っていたが、西全体の意思であると考えていた者たちも多かった。
ずっとそのことで困っていたという顔で、学園長も和葉の言葉に乗る。

「うむ。その辺りのことを誤解しておる者もここにはたくさんおるでの。ワシも西の長殿とは友好的を結びたいのじゃが、強硬派のイメージがどうしても強いからの。中々理解をえられんのじゃよ」
「ええ。実際今はかなり穏健派が強硬派の内でも過激なグループを粛清したりしていますからね。強硬派の人数自体は西の1割程度まで減り、派閥としての勢力はかなり衰えています。刹那、補足があれば加えてくれ。現場に居るお前の方が明るい部分もあるだろう」

話を振られた刹那は夕凪を両手で握り締めながら報告する。

「はい。確かに強硬派は人数も激減し、東への工作も数自体は減少しています。しかし逆に私怨の強い者や、力量が高い者が多く潜伏していると考えられています。潜む者が多い反面、自棄的になって危険な工作を試みる者や、便乗して力を誇示したいだけの者がそれぞれ勝手に活動しており、派閥としての統率が機能していないのが現状です」

それを聞いて高畑は顎に手を当てて考え込むように言った。

「そういうことか。確かにここ数年彼らの活動が減って来たと思えば、大規模な工作を仕掛けて来たりしてたけど、今の説明で納得が行ったよ」

高畑以外の多くの面々も頷き、和葉と刹那の報告に納得したようであった。

「しかし、我々が強硬派の者たちを抑えきれておらず皆さまにご迷惑をおかけしているのも事実です。改革派の代表として“未だ強硬派を抑えつけきれない不甲斐なさに関して”お詫び申し上げる次第であります」

そう言うと和葉は深々と……ではないが確かに頭を下げる。
さりげなく力を誇示した後だけに、逆に下手に出て謝罪を述べるとは誰も予想していなかった。

西との確執に関してはナイーブな問題であり、下手にこちらから話題にしてしまうと感情的な者たちが失言をする可能性が高かった。
そこを理解した上でのことなのかと高畑や刀子は勘繰る。
しかも西の代表として“迷惑をかけたこと”に関してではなく、あくまでも改革派として“まとめきれなかったことで迷惑につながった”と謝ったのだ。

本来なら統率力という点において謝ることは、強硬派でも西の長という立場でもない和葉には必要性などない。
改革派に対する印象を上げるためなのか、暗に和葉への支持を訴えているのか。

「確かに奴らに面倒は起こされておるが、少なくともそれは主に責任はあるまいて」
「いえ、実際こちらの組織が機能していないからでありまして、お恥ずかしい次第です。しかし、私とユキが麻帆良にいれば木乃香の周りも護衛の質は十分です。木乃香を取り戻すという大義名分のうちの一つは成り立ちません。そしてもし私の周りで騒ぎを起こせば、改革派も粛清に乗り出す可能性ぐらい流石に奴らも理解しておりましょう」

的確に返答してきた学園長に対して和葉は返す。

「ふむ。東と西の関係はそう簡単に解決できる問題ではないでの。次期当主殿とこれからゆっくりと実りある話を進めたいものじゃな」
「そうですね。我々の立場を御理解いただけたなら、この話は今夜はここまでにしましょう」
「何か質問はないか?」

声高に和葉を非難する者が現れず、西について誤解を少しでも解消できたのは二人にとって成功と呼べる出来事だった。
満足そうな様子で質問を促す学園長。

和葉は一度目を瞑り、大きく息を吐いた後に目を見開いた。




「答えて欲しいことが一つだけ…………この学園中を覆う結界には一体どういった意図が?」


口にした言葉は鬼門だった。


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